鍼灸の世界への扉を開こう

鍼灸とは、とてもシンプルでプリミティブなものだと思います。
身体の痛いところや辛いところを、押したり温めたりすると楽になるという経験値の積み重ねが、鍼灸という世界を生み出しました。
そのときの体調や心の状態を診ながらツボを決め、鍼を打ち、灸をすえる。

鍼灸の世界の根底にあるのは、人に対するいたわりであり、優しさです。


ごあいさつ

東洋医学の”未病”と”養生”という二つの言葉が、人へのいたわりや優しさをよく表していると思う。

私は25歳を過ぎたあたりから、吹き出物がでる、身体は重くだるい、肩こり腰痛もある、おまけに憂鬱、けれど病気というわけではない、そんな症状に悩まされていた。

吹き出物は(25歳を過ぎるとニキビと言わせてもらえないのが悲しい)は皮膚科へ、身体のだるさは整体やマッサージへと手当たり次第に通う中で、鍼灸という選択肢を見つけた。

初めて腰に打たれた鍼の感覚を今も忘れていない。
つらい部分にず~んと響く鍼の感触の心地よさ、お灸の温かさ!
鍼灸の施術を受け始めて、身体のつらい症状が改善されたのはもちろん、皮膚科に3年通っても治らなかった吹き出物も、いつの間にかきれいに治ってしまった。
この経験から心と身体を意識し、自分をいたわるようになった。つまりは養生。

鍼灸のシンプルでプリミティブな人へのいたわりと優しさに魅了され私は鍼灸師になった。
だって、いいものは、みんなに伝えたくなるものだ。
それが自分の手でできるのなら、こんなにうれしいことはない。
はりまる開鍼堂は「鍼灸の世界の扉を開くきっかけになれ」という思いを込めて名づけた。

ちなみに、鍼灸師になった今でも、心と身体のメンテナンスのために、かかりつけの鍼灸院に通っている。
自分よりうんと若い男前の先生に、肩こり、二日酔い、食べすぎ、生理痛、イライラ、そのときの状態を恥ずかしげもなくぶちまける。
なんせ、かれこれ10年も身体を診てもらっているから、恥ずかしいなどという感情を持ちようがないのだ。

「マスダさん、無茶しちゃダメですよ~」
なんて優しく言われ、本日のツボに鍼を打ってもらう。
「うぉ~~っ!!!打たれた鍼の響きがたまらん」。

施術後はいつも力が抜けてポワ~んとする。
そんな日は、早めに寝ると翌日スッキリ!そして、また無茶三昧の日々が始まり、1週間後に鍼灸院に駆け込むのだ。

なんてステキなスパイラル、終わりなき鍼の世界。

  • 枡田 佳子(マスダ ヨシコ)
  • 店主 枡田 佳子(マスダ ヨシコ)
    出身 京都府京都市
    資格 はり師 認定番号134351
    きゅう師 認定番号134178
  • 学歴 筑波大学人間学類卒業
    筑波大学教育研究科修士課程終了
    東京衛生学園東洋医療科卒業
    経歴 田辺整形外科で鍼灸師として勤務ののち独立